変圧器の仕様では、例えばY-Δ結線の三相変圧器において

1次電圧 F420-R400-F380-360V
2次電圧 200V
定格容量 200kVA

といったように、タップ電圧の表記にFやRが記載されている場合があります。
Fがついた表示は「全容量タップ」といい、規定された耐熱クラスの温度上昇限度を超えることなく、定格容量で使用できるタップです。Rも全容量タップですが、「定格タップ」と呼び、全容量タップの中でも製品の基準となり、銘板や製品の型式などに記入されるタップです。FもRも付いていないタップは「低減容量タップ」といい、定格容量以下で使用しないと規定の温度上昇限度を超えてしまうことを意味します。
上記例で、360Vは低減容量タップとなり、その容量は、最も小さい全容量タップより以下のように算出できます。

200(KVA)×360(V)/380(V)=189(kVA)


この三相変圧器の各タップにおける容量、電圧、2次電流値を示します。
タップの種類 容量(kVA) 1次タップ電圧(V) 2次電圧(V) 2次最大電流(A)
 F420 全容量タップ 200 420 200 577
 R400 定格タップ 200 400 200 577
 F380 全容量タップ 200 380 200 577
 360 低減容量タップ 189 360 200 545