1.下記使用条件での例を示します。
定電圧で電流を可変する用途に使用したい。
・負荷抵抗の可変範囲:3.5Ω~14Ω
・電流値:3.5Ω時に9A、14Ω時に2.25A
2.双芯タイプの摺動抵抗器のメリット
上記仕様で、単純に単芯タイプ摺動抵抗器のSSシリーズで選択すると、型式:SS-11 10A/20Ωとなり、
  サイズが大きく、価格も高いものを選定しなければいけなくなります。
  しかし、双芯タイプの摺動抵抗器を使って、直列接続・並列接続を切り替えることで、単芯タイプの
  SSシリーズを使用するよりも、安価に実現することが可能です。
3.双芯摺動抵抗器DSシリーズの選定方法
3-1. 双芯タイプの摺動抵抗器DSシリーズ一覧の中から、最大電流を流せる型式を選定します。
今回は最大電流が9Aなので、5-10Aを選定します。
3-2. 次に、最大電流の半分(今回の例では5A)の時に、要求を満たす抵抗値を算出します。
算出方法
① まず、今回の用途が定電圧電源を使用するので、その電圧値を確認します。
3.5Ω×9A=31.5V
14×2.25=31.5V
上記計算より、電圧値は、31.5Vとなります。
② 次に、電流値5Aの時に必要な抵抗値を算出します。
      31.5V÷5A=6.3Ω
上記計算より、抵抗値は6.3Ωとなります。
 これは、並列(10A)では6.3Ω未満の抵抗を設定できなければならないことを意味します。
3-3. DSシリーズの電流値5-10Aの中で、5Aで14Ω以上、10Aで6.3Ω以上のものを探します。
抵抗値28.8-7.2Ωが該当します。

よって、今回の使用条件例では、下記型式が選定されます。
 型式:DS-6 5.0-10.0A/28.2-7.2Ω
 5Aまでの28.2Ω以下の負荷は直列接続、10Aまでの7.2Ω以下の負荷は並列接続で使用できます。
 
最後に、負荷曲線を書いて可変可能なことを確認して下さい。

摺動抵抗