1.概要
  Hブリッジインバータの4つのFETの駆動方式「交互PWM」と「位相シフトPWM」について,
  電流の流れが異なる事から,電圧・電流の挙動の違いがある事を記す。


2.駆動方式の違いと順番
  Hブリッジ構成の場合,Q1とQ2,Q3とQ4同士は同時にONすることはない。
  交互PWMと位相シフトPWMのON時(電圧印可時)の波形は同じであるが,OFF時の動作が異なる。


(1)交互PWM方式                           (2)位相シフトPWM方式
  負荷印可電圧がゼロの時はFETは全off              印可電圧がゼロの時でも2つのFETが常にON

3.Q1~Q4のONシーケンス
(1)交互PWM方式のGATE動作                  (2)位相シフトPWM方式のGATE手順
    ①全OFF                                 ①Q2とQ4が同時ON(還流)
   ②Q1とQ4が同時ON                         ②Q1とQ4が同時ON
   ③全OFF                                 ③Q1とQ3が同時ON(還流)
   ④Q2とQ3が同時ON                         ④Q2とQ3が同時ON
    ①~④の繰り返し                           ①~④の繰り返し
    全OFF期間を短くする→パルス幅大                還流期間を短く(位相差大)→パルス幅大


4.電圧・電流波形の事例(誘導成分のある負荷)
(1)交互PWM方式                                  (2)位相シフトPWM方式

全OFF時の波形振動が大                       振動していない時間が還流している時              
全OFF期間に余剰エネルギで振動が発生                 余剰エネルギは還流している                      

                                                                      以上