1. 概要
 電線等の皮膜に穴、傷等の検査にピンホール試験が行われる。社内においても簡単に実施可能な試験方法なので紹介する。

2. 準備するもの
 1) 食塩水を入れる容器
 2) フェノールフタレイン(劇物) : 数g
 3) エタノール : 約100cc
 4) 食塩 : 数g
 5) 直流電源(12V)

3. 方法
 1) 30g/L フェノールフタレインアルコール溶液を作る。
  本実験例:エタノール約100cc の中に、フェノールフタレイン約3gを入れ混ぜる。
  〔注意〕フェノールフタレインは劇物なので、手に触れないように注意する。(触った場合は水でよく洗うこと)
 2) 2g/L(0.2%)の食塩水を作る。
 3) 食塩水の中に、30g/L フェノールフタレインアルコール溶液を適量(本実験例では5~10滴)たらす。
 4) 試料を入れ(絶縁されていない部分は水の上に出す)、試料を-極、食塩水を+極にし、12Vの直流電圧を加える。
 5) 約1分間電圧を加え、ピンホールがあるか調べる。
 6) ピンホールがある場合、赤紫色の筋(小さな気泡の集まり)が出る。

4. 原理
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試料(電線等)にピンホール(穴、傷)がある場合食塩水の中を電気が流れ電気分解が始まる。
負極の試料側にナトリウムが集まり、ナトリウムと水が反応し、水酸化ナトリウムと水素が発生する。
フェノールフタレインはアルカリ性には赤紫に変色するため赤紫の筋となる。

 

 

5. 参考規格

 JIS C 3003 エナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法

 ※JIS C3003は2011年に廃止になっています。ピンホール試験についてはJIS C3216-5に移行しています。

 

6. 参考
 JISでは、エナメル銅線のピンホールはPEW-0種で2個以下、1種で3個以下と決められている。(JIS C 3202)

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