特徴の説明、実際の設計の紹介です(社内技術発表会資料)。
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12相整流サイリスタ制御電源の入力波形
2021/2/11 技術部 辰野
↑図ー1 回路構成と電圧・電流モニタ箇所
2.入力電圧・波形
入力AC200V,出DC200V20A時、
サイリスタ位相制御をしているため
全体的に遅れはあるが高調波は減少している。
↑図-2 入力電圧・電流波形
3.12相整流の電流波形の合成
片側のみ負荷を取ると三相全波整流の
電流波形が観測できる。
上:回路Aのみ20A通電
下:回路Bのみ20A通電
↑図-3 三相全波整流波形
4. 結論
回路A,B両方共20A通電すると、図-3の二つの波形が合成され、
図-2の電流波形となる。
(12相整流回路の力率改善効果が確認できた)
三相サイリスタ制御 三相全波整流の特性と12相整流の特性
1.目的 電圧可変をDC190V~DC250Vの範囲で行う時、三相全波整流と12相整流の制御角度
入力電源力率、電流波形を比較し整流方式の特徴を掴む
2.三相全波整流
( 1 ) 回路
サイリスタ整流前の入力は190V
( 2 ) シミュレーション結果

①制御角0度 出力電圧255V 入力力率94% ②制御角35度 出力電圧190V 入力力率68%
3.12相整流回路
( 1 ) 回路図
( 2 ) シミュレーション結果

①制御角0度 出力電圧255V 入力力率98% ②制御角38度 出力電圧190V 入力力率72%


4.結果
出力電圧を一定にしようとサイリスタ位相角制御をシミュレーションで比較した場合、位相制御しない時は、
94%と98%程度差があります。位相角を変え、出力電圧を同じにした場合、12相整流の方が、
リップルの落ち込みが少ない分小さな制御角で同一電圧にでき、本件の事例では力率68%と72%の差異が出ました。
12相整流は高調波成分を補填するための回路で狭義の意味での力率(電圧・電流の位相差)は、
さほど改善しません。広義の意味での力率(高調波成分を含む力率)により、僅かですが改善します。