
◆概要
本電源は導電線を連続的に加熱する電源装置です。
1次巻線を巻いた変圧器のコイルの中に、加熱したい導電線を通しショートロータで
短絡しその線に磁気誘導により発生させた電流のジュール熱で電線を加熱する、
高周波誘導加熱用電源です。
◆従来の課題を解決する方法
従来は均一に発熱させるため直流電圧を印可していたことから、以下の課題が
ありましたがこの電源により課題の解決案をご提示致します。
(1)スパークの防止:印加電圧を高周波化することで継続的放電を遮断できるため
スパークの発生がありません。(交流波形であるので、電流がゼロになる時がありスパークが一旦消滅するため)
(2)電極ロータ軸の電食防止
直流加方式(ロータに直流電圧を印加) 高周波方式(ロータには電圧が印加されない)
(3)機構の簡素化
ロータに電圧を印加する必要がないので、スリップリングなどの機構が不要となります。
◆一般仕様
型式 | PS-GF0097 |
外形寸法 | 本体 :W550xH770xD480(mm)キャスタ付 誘導トランス :W45xH150xD180(mm)アモルファスコア1個~10個 |
冷却方式 | 強制空冷 |
◆電気的仕様
入力電圧 | 三相3線式200V±10% |
周波数 | 50/60Hz |
電源出力電圧 | DC300矩形波 |
電源出力電流 | 20A |
誘導周波数 | 400Hz~20kH(可変) | 絶縁耐電圧 | 入力-出力・筐体間 AC2000V 1分間 出力-筐体間 AC1500V 1分間 |
◆回路方式
(1)装置の回路構成例
(2)実効値電流を測定しフィードバック制御を行うことで温度を制御します。
(3)制御方式はインバータによるPWM制御や、インバータ手前の直流電圧を可変するPAM制御などの
方式があります。
印可周波数も線速度に応じて、数百Hzから数十kHzまで対応可能です。